2008年12月16日火曜日

好きな本のこと(ジャンル?別 その1)

以前「好きな本のこと」を書いた際には無理があったということで、書き直し宣言をしていましたが、今日はその書き直し第一弾ということで行ってみようと思います。

今回のお題は「歴史モノ」。
小説、エッセイ、ドキュメンタリー、コミック、専門書など世界史・日本史オールジャンルで、正史か創作物かを問わずにピックアップします。多少コメント付で。

1.燃えよ剣
新撰組ファンご用達の本ですね。特にこの本で「土方歳三ファン」が新しく生まれ続けるということだそうです。かくいう自分もその一人。10代の半ばで読んだこの本は今でも手放せません。自分の持っているのは文庫本で上下二巻という本ですが、もう古くなった上に何度も読み返してずいぶん痛んでしまいました。新しく買いなおそうかとも思うぐらいに。余談ですが、この本を読んだころはまだ俳優の松田雄作が現役活躍中で、自分は是非彼に土方役を演じて欲しいと思っていました。土方歳三の写真をみると、なんとなく松田雄作が雰囲気的に似ている気がしたのと、土方のストイックな生をうまく表現してくれそうな気がして。。。残念です。2004年の大河ドラマ「新撰組!」の山本耕史もよかったと思いますので、彼で「燃えよ剣」やってもらってもいいですけどね。

2.項羽と劉邦
1位と同じく故・司馬遼太郎氏の作品です。文庫では上・中・下の三巻ものです。個人的には三国志モノより秦末から楚漢七年戦争の時代を書いたものが好きなのですが、その原点はこの本です。日本で流行っている三国志モノは基本的に「三国志演義」という物語をベースにしているため、史実とはかなり違う部分も多いのですが、その中には楚漢七年戦争時代の話やそれ以前の春秋戦国期の話をアレンジして取り込んだと思われるものもあります。項羽と劉邦の時代の主要な人物には故事成語や格言のもとなった人物も多く、それだけ個性的な人物の排出された時代なんだと思います。また、角度を変えて読んでみると「個人の才能VS洗練された組織」という構図もあって、中々読み応えのある本だと思います。

3.ジャンヌ・ダルク処刑裁判
こちらは小説ではありません。中世フランスの危機を救ったジャンヌ・ダルクについて、特にイギリスに捕らえられた後の裁判記録を中心に、彼女の軌跡について残された資料を元に編纂された歴史書です。20代中ごろからジャンヌに興味を持ち、当時入手可能な本は片端から買いあさりました。今でもジャンヌ関連の本が出版されると買うことがあります。それらは全て今も残してありますが、この本は特に創作性を排除してあって、ジャンヌの不思議な、短い生涯を考えるのに一番良い本だと思っています。

4.竜馬がゆく
また司馬遼太郎小説です。これは文庫だと八巻もある長編です。やはり竜馬ファンの多くはこの本のファンです。小説としての創作部分があるのと、最近の研究で異論の出てきている部分もありますが、歴史的真偽ではなくこの本で描かれている竜馬のあり方が、読む人ごとに様々な感動を与えてくれることが長年読み続けられている理由だと思います。これ以降の作家や漫画家などの多くがこの本の影響を受けたようで、それを感じる作品もいくつか読んだことがあります。中にはこの本を史実と勘違いしてる人もいるようですが、どうもかなり司馬良太郎氏の創作が加わっているようです。でもいいんです。読んで感動できる本だから。

5.チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷
「チェーザレ・ボルジア」という人物はイタリア・ルネサンス期、つまりイタリア国内がいくつもの国に分かれて争いの続いた時期の英雄です。日本史で言えば織田信長のような役どころ?志半ばでその生涯を終えましたし。以前ならば多分日本ではあまり知られていなかった人物だと思いますが、最近は総領冬実のコミック「チェーザレ」なども発行されていて、少しは知名度が上がったと思います。マキャベリとは知己だったようで「君主論」はマキャベリがチェーザレをみて考えたことをまとめたようです。マキャベリにとって理想の君主像に近い人物だったということでしょうか。「君主論」は東洋でいえば「孫子」に近い内容で、これは別な機会に書こうと思います。

ここから先はコメント簡略化します。長くなりますから。。。(もう十分長いって)

6.道誉なり
足利尊氏と同時代の「バサラ大名」(後の時代の傾奇者のように型破りな者を当時バサラといったらしい)佐々木道誉について描いた奇特な小説です。

7.一夢庵風流記
「花の慶次」というコミックを覚えている人、知っている人にはその原作となった小説といえば内容がわかりやすいでしょうか。傾奇者・前田慶次郎のお話です。個人的にはコミックよりもこの原作の方が好きです。

8.日出る処の天子
コミックです。ずいぶん古いものです。これがきっかけでそれまで興味の薄かった飛鳥時代に関心が強くなりました。もっともこのコミック自体はかなり創作的な話で史実はエッセンスという感じですが。。。

9.あやつられた竜馬
坂本竜馬がフリーメーソンによってあやつられていた(竜馬だけでなく幕末の幾人かの人物も)、とする仮説に基づく突拍子も無いテーマながらも荒唐無稽ではなく、それなりの興味をそそられる本でした。竜馬暗殺犯についての推理は今までに読んだ中では一番腑に落ちました。

10.奔流
陳慶之という中国史の人物についての小説。作者の創作・演出がはいっていて100%の歴史とはやはり違うらしいのですが、面白い、というか最後はさわやかな感じで気持ちよく読み終えることができました。

ジャンル分けたはずなのに、なぜか順位付けが難しい。。。
長くなりましたので今回はこれにて、ということで失礼します。

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