2009年2月12日木曜日

未来志向で行こう!(前半は暗い話ですがご容赦を)

これまで自動車産業への依存度が高かった日本経済。
中小零細の製造業も自動車に関連するところがかなり多かったし、ここ数年以上日本の経済をリードしてきたのは間違いなく自動車産業でしょう。

しかし、それが崩れました。脆いもので自動車メーカーの不振が日本経済全体の不振に連動していると思います。

企業の経営では「特定1~2社の取引先への売上利益に依存した経営は危険」といわれ、経営リスク分散のためには多くの顧客をもつことが理想視されています。しかし日本経済自体はこのリスク分散が不十分だったということでしょうね。いかに自動車輸出への経済的依存度が高かったかを悪い形で思い知らされたような現状だと思います

しかも、悪いことに、ここ数年日本では大手企業の増収増益が喧伝される一方で、一部の人を除き個人所得の停滞または減少が続いていたため、内需拡大のための潜在力も減退していました。

この数年大手日本企業のうち何社かは「グローバルな価格競争力のためのコストダウン」と称して人件費を抑制しつつその一方で、企業の内部留保や設備投資、さらには株主配当や役員報酬に資金を回し、従業員には「日本の人件費は世界的に見てコスト高」といって十分に利益配分してきませんでした。

内部留保は金融投資の原資となりましたが、金融危機によって企業はその内部留保を失い、それ以上の損失をこうむったところも少なくありません。

その結果、設備投資や従業員の雇用維持を行う体力を失い、それでも株主への配当を意識しなければ経営者の首が飛びかねないし、経営者自身も自らの報酬にしがみつく人が一部にいるため、しわ寄せはまず非正規雇用労働者、ついで一般の正社員へと及び始めています。

そうしてもともと乏しかった内需高揚の可能性はますます減退しています。

と、ここまでは悪い話。
過去に愚痴ってばかりいても仕方がありません。
反省は必要ですが、それ以上に未来をどうするかが大切です。

特定産業への依存から脱却はを図ることは今後の課題として、まずは経済の牽引役となる新しい産業創出&活性化が急務でしょう。有望なのは今のところエネルギーやエコロジー関連でしょうか?他にも画期的な何かが出てくる可能性もあります。

幸い日本の自動車産業を支えてきた中小零細の町工場は高い技術力をまだもっています。アイデアと企業同士の合従連衡による新分野の産業創設活性化については望みがあると思います。

問題はその間の資金繰り。大手有名企業のようにいざとなれば売却できる資産があるわけでもなく、潤沢な資金供給や投融資を受けられないために、高い技術力や秀逸なアイデアが死蔵されてしまっては、本当に望みがなくなりかねません。その点を政府の緊急対策でしのげれば再生は見込めるでしょうが、そのとき今ある大手企業が主役になれるかどうかは未知数のような気がします。今は誰もも知らないような企業が主役になるかもしれません。

何しろ大手企業はコスト削減、コスト競争力にばかり気を取られて色々なものをアウトソーシングや海外調達に切り替えてしまったところも多く、技術やノウハウ、さらには人材まで、様々なものを失っているところが少なくないようですから。

さて、うちの会社はどちらへ転べるでしょうか?激弱零細企業でもチャンスをつかむことができるのか、それとも不況に飲まれて終わるか?もちろん前者でありたいと思って努力していきますけどね。

0 件のコメント: